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2025年10月8日(水)〔12日前〕 更新

2025/10/08 (Wed) 15:31:58 by 担当

就労系福祉サービスと利用ニーズの変化に応える必要性

営利法人の参入による就労系サービス事業所の増加について考えます。特に就労継続B型の増加が顕著で、少し長いスパンで見ると例えば2012年に332箇所だったものが2022年には4909箇所にまで増えており、およそ15倍と言えます。その背景には報酬制度や運営基準の改正で営利法人が参入しやすくなったことや、フランチャイズ方式の展開もあります。利用者側は、精神障害者、発達障害者など一般雇用形態の就労が難しい状態にある層の受け皿となっていますし、昨年、在職者の福祉サービスの利用要件が明確に通知で示されたことで、リワーク目的の利用が増えていることも増加の要因になっていると考えられます。従来は軽作業として清掃、農作業、組み立て、梱包、手工芸、パンやお菓子作り、クリーニングやちらし折りなどが多くみられましたが、昨今のB型の活動内容は多様化し、IT系、Web、カフェ、eスポーツ、ジム、SNS運用なども目立ちます。こうしたB型でスキルをつけながら工賃を得て、生活を整え、気持ちを準備し、集団の中で一定の作業をし、定期的に支援員と将来の自立について考える面談を行なって考えていく場でもあります。
就労系のサービスには就労移行支援というものもありますが、雇用や賃金(工賃)は原則なく、個別訓練や利用者同士の集団セミナーによるトレーニングが提供されます。仕事の成果に対する対価がない制度構造になっており、最近では訓練と工賃がある多様化したB型が実態的に居場所やリハビリの場として選択されることが増えています。メンタル不調で一般就労や週5日の決まった時間の訓練の参加が難しい場合、柔軟に通えて、工賃があり、居場所の役割をはたすB型や自立訓練(生活訓練)が重要な役割を果たします。現状、スタッフの力量によって受けられる訓練やカウンセリングの内容に大きく差が出ざるを得ない就労移行支援については、同じように時間を過ごしても工賃という成果に対する対価がないことが利用者の選択条件の吟味にひっかかることがあるようです。現在の制度では、就職者や復職者をいかに輩出できているかはもちろん、その方々が6ヶ月継続して就労定着している率による翌年度の報酬単価が、国による事業所評価になっていると言っていいと思います。どの就労系サービスを利用する場合も、ご自身の時間をできるだけ質の良い支援を提供している事業所で過ごせること、できるなら、そこで出会えてよかったという専門性の高いスタッフがいるところを選択できることが価値になります。

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